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 研究報告





「寝具の快適さを測定する」


  足利工業大学 睡眠科学センター教授

 萬 代   宰




睡眠環境の重要性が近年大変強調

                                         されるようになって来ました。

寝装具に始まり

                              寝室全体のデザインや空調など

我々が快適に眠れる条件は何か

                                   という研究が進んでいます。

これは睡眠という至極当たり前の事柄

              にも配慮できる
       
                                                   経済的余裕が出てきたこともありますが、

良く眠れないという切実な悩み

                                                を持った人々が増えていることも

                                                大いに反映しているのでしょう。

一口に

                 睡眠環境と言っても極めて範囲が広いですが、

我々の睡眠に

直接的影響を与えるのが

寝   具
                            でしょう。

実際、ここ20年来、

ふとんの性能評価についての研究

は学会と業界との継続的協力の下、

主に

保温性、弾力性、吸放湿性

さらに

耐久性などの評価検討が行なわれてきました。

またそれらの

評価方法もJIS化

                 が行なわれてきています

しかし

使用者の心理的評価については研究が始まった

                 ばかりです。


本センターでは

            寝具メーカーとの共同研究として

敷き寝具の使用感評価の尺度を開発中
                   
                        ですが,

敷き寝具にとって
  
弾力性、  保温性、 肌触り

         の3つの指標が特に重要であることが
 
                          多くのアンケート調査でわかってきました


今回ここに紹介されている

小池経編染工所製シーツについても

                使用感評価のアンケートを実施しましたところ、

「肌触り」「なじみ感」そして「寝心地」について

                             高い評価が得られています。


自然の素材にこだわった繊維

                          の特徴が感じられるのでしょう。


弾力性や安定感の優れたマットレスとの組み合わせで

快適な寝具を構成するアイテム

として

シーツの重要性は無視できません。








 
足 利 学 校 
(杏壇)

足利学校は9世紀

小野筌(おののたかむろ)

により創建されたと伝えられています。

10世紀には

フランシスコ・ザビエルにより

日本国中最も大にして最も有名な坂東の大学」

と世界に紹介されています。

学校様は別名を「杏壇」といい、

入徳門をくぐると右手にあります。

そこから

西に向かうと足利工業大学があり、

6Fに「睡眠科学センター」があります。

睡眠学会、睡眠環境学会

において中心的な存在です。

今回の研究報告は共同研究で得た

シーツの「保温性」についての報告です。

  〜保温性試験結果〜

   加熱体を使用して、
   保温性の時間経過と温度の関係
   をグラフにしました。
   (たて軸:温度  よこ軸:秒)



加熱体(33度Cの金属)で
被検物を30秒加熱後、
加熱体を除去して30秒後のサーモグラフ。

     試験体の配置と温度

1)綿100%    2)混紡(T/C)
 24.78℃     24.34℃

3)シルケット綿  4)LeBerceauBlanc
 25.05℃     25.22℃


加熱体を除去して1分30秒後の
サーモグラフ。

1)綿100%    2)混紡(T/C)
 24.15℃     23.50℃

3)シルケット綿  4)LeBerceauBlanc
 24.41℃     24.38℃


加熱体を除去して2分30秒後の
サーモグラフ。

1)綿100%    2)混紡(T/C)
 23.13℃     22.94℃

3)シルケット綿  4)LeBerceauBlanc
 23.59℃     23.80℃


加熱体を除去して5分後の
サーモグラフ。

1)綿100%    2)混紡(T/C)
 22.96℃     22.83℃

3)シルケット綿  4)LeBerceauBlanc
 23.31℃     23.29℃


総合的な結論 

              

本研究では5つの測定を通して、

小池製シーツ生地の保温性

の特性を検証してきた。

生地単体では

JIS-L-1096(恒温法)による保温性(A法)試験や

4種類の他の生地との比較試験でも明らかになっように

綿100%の生地と比較して

同等あるいはそれ以上の保温性を持っている。

しかしながら、

綿入り袋物の表面生地であるとか、

ヒトの体表を被うような場面では

他の生地との比較において優位な差は認められなかった。

また、

主観的な評価については多くの被験者が

生地の触感覚や寝心地に関して高い評価

を下している点は注目される。

とりわけ

寝床内で恒常的な熱源(ヒトなど)がある場合と


一過的な加熱との比較は難しいと考えられるが、

少なくとも使用者の使用感については

極めて良好な結果を得た。


                足利工業大学睡眠化学センター      萬代 宰