「小池製パジャマの角質水分量および経皮水分喪失量に対する影響」に関する臨床研究報告書
群馬大学大学院医学系研究科皮膚病態学教授 石川 治
対象: 被験者は20歳から60歳までのアトピー性皮膚炎患者とし、
アトピー性皮膚炎の診断に使用開始前後での
前腕屈側の角質水分量と経皮水分喪失量を測定した。
当たっては日本皮膚科学会のアトピ−性皮膚炎の定義・診断基準を満たしたものとした。
性別は問わず、エストロゲンの皮膚に対する影響を考え、 閉経後およびホルモン治療を受けている患者は除外した。
さらに綿100%の寝間着を使用中の患者のみを対象とした。
方法: 2週間にわたり新規開発生地(シルク・綿の織物生地)である寝間着を就寝時に着用することとした。
材料:寝間着の素材の糸使いは以下のものを用いた。
シルク・綿の織物生地。
タテ糸にシルク、ヨコ糸に綿を使用した。
結果: 12名中、新規開発生地の使用前後とも、皮膚に異常がみられた被験者はいなかった。
寝間着着用前後での角質水分量と経皮水分喪失量の実測値を表に示す。
角質水分について、測定値が20%以上の変動を示した場合を測定値上昇、または低下とした。
角質水分量は、12名中7名(被験者2.4.6.8.9.10.11;赤字で示す)で上昇し、
2名で低下した(被験者7.12;青字で示す)。残りの3例では20%以上の変化は見られなかった。
経皮水分喪失量についても測定値が20%以上変動した場合を測定値上昇、または低下とした。
7名(1.2.3.5.6.10.11;赤字で示す)で上昇、3名(被験者4.7.12;青字で示す)で低下した。
なお、角質水分量と経皮水分喪失量を着用前後で比較したが、統計学的に優位差はなかった。
考察:以上の結果より 安全性については、新規開発生地を2週間使用した全例で副作用は認めず,安全と判断した。
新規開発生地使用の寝間着によるアトピー性皮膚炎患者にたいする望ましい変化は、
角質水分量の増加と経皮水分喪失量の減少である。
現在の結果では、新規開発生地は角質水分量を上昇させると同時に経皮水分喪失量も上昇させる
傾向が見られている。
この理由として、
角質水分量が上昇したこと(望ましい効果)にたいする新規開発生地の作用機序は不明であるが、
増加した角質水分量を確実にほ保持するバリアー機能が患者では
未だ回復していないためと考えられる。
結論:以上の結果より、
新規開発生地はアトピー性皮膚患者においても安全に使用できると考えられる。
今後、新規開発生地をより長期に使用した場合に
角質水分量・経皮水分喪失量がどのような変動するか検討する必要があると考えた。
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